『タイ料理チャンロイ』のブランド名で、レストラン型店舗やデパ地下を中心にタイ料理を提供するピークヤム株式会社。東京・大阪を中心に12店舗を展開し、本格的な味わいと多彩なメニューで幅広い顧客層の支持を集めています。同社では2年ほど前から特定技能外国人の採用を開始し、現在では約10名が在籍。今回は、採用から労務まで人事業務全般を担う小笠原様に、特定技能外国人受け入れの効果や登録支援機関との付き合い方についてお話を伺いました。特定技能外国人の日本語力は想定以上で接客業務も任せられる貴社の人員体制について簡単にご紹介をお願いいたします。今、12店舗ありまして、従業員数は正社員とアルバイトあわせて大体70名ぐらいいます。また、オフィスビルに入っている店舗のランチタイムなど混雑時にはスポットワーカーさんの力も借りて運営しています。ただ、人員はもう少し増やさないと体調不良者など急なお休みが出た時のやりくりが大変で、現在の店舗数でも80名くらいは必要だと考えています。今は、既存従業員に負担がかかっているので、はやく新しい方に入社いただけるように鋭意採用活動中です。積極的に採用をされているということですが、日本人の募集状況はいかがですか?小笠原様:求人媒体や派遣会社、ダイレクトリクルーティングなど組み合わせて応募は頂けている状況です。ただ、長く働いてくれる方の採用が課題だと感じています。やはり、店舗運営をアルバイトさんだけで回すのは難しく、2、3名のアルバイトに対して1名のフルタイム社員を配置できる体制が理想なので、フルタイムで長期間働いてくれ、将来的には会社の中核を担っていただけるような人材を採用したいですね。そういったフルタイムで働ける人員確保として特定技能の受け入れを検討されたのでしょうか?小笠原様:そうですね。特定技能の募集を始めたのは2023年からですが、当時は今よりも人手不足で余裕がない状況でした。そこで、知り合いの方から登録支援機関を紹介してもらいました。人材確保のため幅広く募集をした結果として、国籍もタイだけではなくベトナムやインドネシア、ミャンマーなどに広がっていきました。もともとタイ料理店という事業柄、特定技能以外にも調理師としてタイ人のコックを雇用していましたし、弊社の代表も外国籍の方を積極的に採用していこうという考えでした。ですので、人材不足という前提はありつつも、調理だけではなく接客業務にも対応できる在留資格として特定技能を活用するのは自然な流れでした。採用ルートは海外からですか日本国内からですか?小笠原様:併用しています。海外面接の場合はオンラインで面接をしています。直近でもインドネシアから3名採用しました。国内でも随時募集はしていますね。登録支援機関さんもリフトさんを含めて3社様とお付き合いをさせていただいています。なにもわからないところから始めていろいろなパターンを試しながら進めてきたという感じです。実際に採用された特定技能の方の働きぶりはいかがですか?小笠原様:日本語能力が想定していたより高いです。コックの方々は調理の実務経験はありますが、日本語に長けている方ばかりではないので、特定技能の日本語力は素晴らしく感じますね。特定技能の方には接客業務も担当いただくので、日本人のお客様に満足いただけるような一定水準以上の日本語力が必要になるのですが、N3を持っていてN2を目指せるくらいのレベルの人材が採用できています。海外から採用した人材と日本国内で採用された人材の違いはありますか?小笠原様:日本語力でいうと、やっぱり国内で採用した人材の方がレベルが高いです。海外からの採用だと、日本での生活に慣れるまでのサポートもより必要になってきます。海外から採用した人材ですと最初のサポートが大変そうですね。小笠原様:そうですね。最初は毎週1回本社に来てもらい、代表が研修を兼ねて日本語の教育をしていました。小学生が勉強する漢字ノートや算数ノートを買ってきて数字の書き方を教えたり、「いらっしゃいませ」など接客業務ならではの挨拶練習をしたりですね。その合間にコミュニケーションもとって日本での生活に困っていることがないかなどをヒアリングするということを2か月くらい続けていました。定着率はいかがでしょうか?小笠原様:海外から採用した方の方が長く働いてくれる傾向にあります。国内で他の会社を経験されてると前職と比較したり、給与がより高い会社が見つかるとすぐ転職してしまったりということがありますね。もちろん、採用コストや時間を考えると国内採用にメリットがあるので、国内で随時募集しつつ海外採用も計画的に行っていく、という方針にしています。海外だろうか国内だろうが自社で中長期的に働いている人材を求めているということですね。そういった人材を採用するために面接ではどういうことを重視していますか?小笠原様:お客様と関わる仕事なので、定番ですが、まず笑顔を見ています。あと、立ち仕事で結構体力を使うので、体力や根性の有無も重視していますね。やはり、当社としては、長く働いてほしいと思っているので、旅行感覚で日本に来ている方ではなくて、明確に仕事に対する目的意識を持っている方を採用したいと考えています。定着して活躍してもらうためには入社後のサポートも大切かと思います。先程のお話ですと日本語の研修など力を入れられているようでしたが、他に取り組まれていることはありますか?小笠原様:寮の用意や生活環境のサポートはしていますね。ガスが出ないとか、ドアが壊れたといったトラブルがあった時には私たちが大家さんに連絡をとって対応しています。あと、病院への同行もしています。登録支援機関にお願いするのではなく、自社でやられているんですか?小笠原様:はい。自社の社員ですから。結構細かい要望もあるので、全部登録支援機関さんにお願いするのも申し訳ないと思ってしまうんですよね。特定技能受け入れ前からタイ人コックさんの病院同行とかも頻繁にやっていたので、当たり前の感覚としてやっています。入社後の支援も安心して任せられるかが登録支援機関を選ぶポイント特定技能外国人を受け入れてどのような効果がありましたか?小笠原様:特定技能の方が入社されてから会社として業績が上がっています。人手を確保できたということに加えて、社員の意識が変わって個々人の生産性が上がったからだと考えています。特定技能の皆さんの働きぶりが一生懸命で日本語もうまいので、もともといた社員にも良い緊張感が生まれていますし、お互いに触発しあうような関係が築けています。明確に業績として成果があらわれているんですね。一方で、受け入れに当たっての苦労や失敗はありましたか?小笠原様:一番大変だなと思ったのは、もともと働いてくれていたタイ人のコックさんと特定技能の方々の人間関係ですね。コックさんは、50歳代で日本語もあまり話せないんです。一方で特定技能の方は、20歳、30歳代と若く日本語もうまい方が多いんですね。そういった日本語力の差やジェネレーションギャップによる仕事観の違いでぶつかってしまうことがあるんです。コックさんが仕事の指導を厳しめにしてしまって、特定技能の方から「一緒に働きたくない」といった相談が来たこともあります。特に、タイ人の特定技能の方に対しては、自国の若者だからということもあって感情が入ってしまうんだと思います。そういう時は、弊社の代表がタイ語を話せるので、間に入ってお互いの事情をしっかり聴くようにしています。あと、一度こじれてしまった人間関係のまま一緒に働き続けるのは精神的にも辛いと思うので、現実的な対処法として店舗異動、配置換えをしています。人間関係のトラブルは特定技能に関わらず発生しますし、確かに配置転換が効果的かもしれませんね。小笠原様:そうですね。人間関係は特効薬がないので難しいです。他に印象に残っていることとしては、通勤に対する考え方の違いがあります。当社の場合、用意した寮から店舗までは電車通勤になるんです。ただ、前職で、地方の工業勤務をされていた方だと、工場の近くに寮が用意されていて徒歩や自転車で通勤するのが当たり前という感覚のようで、電車での通勤が苦痛といった相談があったんです。私たちが当たり前と考えていることが決して当たり前ではない、というのは勉強になりました。行政への報告など手続き関係で苦労はありませんか?小笠原様:リフトさんとお付き合いさせていただく前は大変でした。特に、1年目は私もあまり制度について理解しておらず、「定期報告ってなに?」という状態だったので。当時の登録支援機関さんからは「定期報告書を入管に出しといてくださいね」と言われるだけで説明もなかったので、手探りでなんとか作成していました。今はだいぶ慣れましたし、リフトさんが丁寧にサポートしてくれるので、そこまで困ってはいません。既に複数の登録支援機関様とお取引をされていて自社でも支援体制を整えられている中でリフトを選んでいただいた理由を教えてください。小笠原様:きっかけは電話営業でした。最初は「また、登録支援機関か。もう何社とも付き合っているし、新しい会社さんは必要ないかな」と思いながらお話を聞いていたのですが、「リフトだったらこんなことまでサポートできますよ」という営業の方のプレゼンが素晴らしくて、お願いすることにしました。実際にリフトの支援はいかがですか?他社様で支援されていた人材をリフトの支援に切り替えてもいただきましたが。小笠原様:お取引をさせていただいている登録支援機関さんの中で一番こまめに連絡もくださいますし、しっかり対面で面談もしてくださっているので安心できます。書類関係のサポートも丁寧にやってくださるので助かっています。営業時は良いこと言っていても、実際の入社後の支援はおろそかっていうケースをよく聞くんですけど、リフトさんの場合は、入社後の支援を担当してくださるCS(カスタマーサクセス)の方も素晴らしいんです。結構、無茶なお願いをすることもあるかと思うんですが、いつも丁寧に対応してくださいますし、タイ語も話せる方なので人材側のサポートも安心してお任せできます。人材の日本語力がどんなに高くても登録支援機関さんの支援が手厚いと安心ですね。なにかあった時の緊急対応やコンプライアンスを守って制度を利用していくという観点からもそう感じます。そういう背景があって、他社さんからご紹介を受けた特定技能人材の支援もお願いすることにしたんです。ありがとうございます。最後に、今後の人材活用や組織づくりについて展望をお聞かせください。小笠原様:特定技能の方には、徐々に責任あるポジションを担い、後輩の育成やリーダーシップを発揮しながらキャリアアップしていってほしいと考えています。やはり将来的には特定技能2号へ移行し、当社の中核人材になってほしいですね。そのために、会社としては、人材が安心してキャリアを築ける体制を整えています。社会保険労務士の先生に設計いただいた評価制度を基にスキルアップするごとにランクアップして給与も上がる仕組みも用意していますし、今後も努力や成果が正しく報われ、働き続けたいと思える環境づくりを推進していきたいです。