電気工事や管工事を中心に東日本一円に事業を展開する株式会社フロンティアエクスプレス。年間を通じて大量の施工を担う同社では、慢性的な人材不足への対応として、いち早く外国人材の受け入れに取り組んできました。現在、現場を支える人材の約半数が外国人。第二種電気工事士の資格を取得して活躍するスタッフもおり、今では組織に欠かせない存在です。そんな同社が、なぜ外国人材の採用に踏み切ったのか。導入の背景から社内への定着、そして今後のビジョンまでを、専務取締役の針貝様にお話を伺いました。数百万円かけても日本人が集まらない――危機感から始まった外国人材採用特定技能外国人を受け入れることにしたきっかけを教えてください。針貝様:大きな理由は日本人の採用が難しくなったことです。求人広告や紹介会社を活用して、数百万円単位のコストをかけても、応募が1件も来ないという状況が続いていました。特にエアコン設置や電気工事は体力も技術も必要な業務。若い人材の確保は年々難しくなっており、正直、国内採用だけでは限界を感じていたんです。もう一つは、将来的に海外展開をしていきたいという思いがありました。いずれ母国に戻る人材が、現地での拠点展開や技術者育成の中心になってくれたら理想的です。そうした長期的な視点も含めて、外国人材の採用に踏み切りました。実際にどのような方々を採用されているのでしょうか?針貝様:最初はベトナムから、現在は主にインドネシアの方を受け入れています。これまでに40名ほど採用してきましたが、みなさん本当に真面目で仕事熱心ですね。現場に馴染めそうかどうかは、面接時から重視していて、体力や雰囲気などをしっかり見ています。日本語力は個人差がありますが、中には日本語で冗談を言えるような人もいます。そういう方は、チームの潤滑油としても活躍してくれていますよ。最初は不安もありましたが、実際に働く姿を見て、「ここまでできるのか」と想像以上の頼もしさを感じました。外国人材を受け入れて、どのような効果を実感されていますか?針貝様:人手不足が解消されたのはもちろんのこと、現場で本当に即戦力として活躍してくれて助かっています。中でも印象的なのは、来日から4、5年で第二種電気工事士に合格したメンバーが2人いることです。私自身が実技を教えたのですが、彼らの吸収力には驚かされました。彼らのような存在が現場にいることで、日本人社員にも刺激になっていて、「自分も負けていられない」と資格取得を目指す人も出てきています。外国人材をきっかけに、社内の学習意欲が全体的に底上げされたのは大きな変化です。指導体制を見直す契機にもなりましたし、教えることで学ぶという文化も育ち始めていると感じています。一方で、受け入れ時に大変だったことはありますか?針貝様:文化や宗教、生活習慣の違いですね。特に、ベトナムとインドネシアの方が同じ寮に住んでいた時期は、食事の内容や生活リズムの違いに注意する必要がありました。それぞれの習慣を尊重しながら、寮内の過ごし方についても工夫し、トラブルが起きないように配慮しました。言語面では、日本語レベルにばらつきがありますので、会話やディスカッションの時間をしっかり取るよう心がけています。また、月1回の社内食事会や社員旅行も実施していて、今年はタイへの旅行を予定しています。こうした時間が、コミュニケーションを深めるうえでとても大切だと感じています。互いに文化を理解しようという姿勢も、年々社内に根付いてきていると思います。採用して終わりではなく、母国語で寄り添う支援が選定の決め手に数ある支援機関の中からリフトを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか?針貝社長:当時、いろいろな会社から外国人材採用に関するDMが届いていて、「こういう選択肢もあるのか」と興味を持ったんです。そこで自分でも外国人採用についてインターネットで調べてみたところ、リフトさんのwebサイトを見つけました。問い合わせてみたら、営業の方の対応がとても早くて、こちらの状況をすぐに理解してくれました。「それならこういう形もできますよ」と、柔軟に提案してくれて。初めての外国人採用だったので、採用した後の支援までしっかりしてくれるかを重視していたんですが、リフトさんなら任せられると感じました。実際のリフトの支援はいかがですか?通訳を含めた手厚いサポート体制が整っていて、母国語でのフォローもしてもらえるので安心感があります。現場の立場からすれば、採用して終わりではなく、その後まで一緒に考えてくれるという姿勢は本当にありがたいです。細かな相談にも乗ってくれて、対応が早いことは現場目線では非常に心強いです。ありがとうございます。最後に、今後の展望を教えてください。針貝様:現在、現場の約半分が外国人スタッフになっています。今後は、より長く日本で働いてもらえるように、特定技能2号への移行も支援していきたいと考えています。本人のキャリアにもつながるし、会社としても長く働いてくれる人材がいると心強いです。また、もし帰国することになっても、将来は母国での拠点展開や人材育成の中心メンバーとして活躍してほしいですね。私たちの技術やサービスの考え方を、現地に広げていけるパートナーとして、これからも一緒に成長していけたらと思います。採用から育成、定着、そしてその先までを見据えた関係性をつくっていきたいです。