千葉県館山市で温泉旅館やリゾートホテル、飲食店を運営している株式会社こがね。多国籍のスタッフを受け入れることで、どのような変化や成長を遂げているのか、またその中でどのような課題に直面しているのでしょうか?特定技能外国人を採用するに至った背景、採用後の影響について本部次長の牧様からお話をお聞きしました。幅広い宿泊業務に従事していただくために特定技能を活用まず、牧さんのお仕事について教えてください。牧さん:基本的にはフロント業務をやっていますが、レストラン業務やベッドメイクにヘルプで入ることもあります。あとは 人事業務として、専門学校向けの求人活動や特定技能をはじめとした外国人材の受け入れも担っています。特定技能外国人を受け入れることにしたきっかけは何ですか?牧さん:もともと技術・人文知識・国際業務(以下「技人国」)の在留資格の方を雇用していました。ただ、技人国の資格だとホテル業務の中でもフロントや企画、広報など対応できる業務が限定的で、人手が不足しているレストランやベッドメイクの業務には対応できず困っていました。そんな中でフロントや接客、レストランサービスなど幅広い宿泊業務を任せられるという特定技能の情報をたまたま聞いて、受け入れをしてみました。今では、外国人材の中でも特定技能の方を中心に採用を行っています。特定技能外国人の皆さんは幅広い宿泊業務に従事されているんですね。牧さん:はい、フロント、レストランを中心にベッドメイクまでいろいろな業務を担っていただいています。その中でも皆さんそれぞれの適性に合ったポジションで活躍していただけるようには気を配っています。現在は何名くらいの特定技能外国人が働かれているのでしょうか?牧さん:今は、ベトナム、中国、インドネシア、タイの4か国から6名の方を受け入れています。これからネパールとスリランカの方が入社予定です。特定技能外国人を受け入れる前に不安はありましたか?牧さん:特定技能外国人を受け入れるにあたって、やはり日本語力が心配でした。日本人社員とのコミュニケーションの障害になるのではないかと。実際に受け入れてみていかがですか?牧さん:今まで色々な国から受け入れていますけど、本当に良い方しかいないと感じています。 日本語力云々ではなく、お客様に対する笑顔ですね。接客態度が素晴らしいです。あと、ハングリー精神が強いのも良いところですね。もし失敗しても次はこうしよう、という感じで反省と改善を繰り返し行っていただけるので助かります。お客様アンケートでも「海外スタッフの方が多かったけど、笑顔ですごく日本語も上手で親切だった」という評価を頂くことが多くて嬉しい限りです。書類業務の煩雑さを解消するためにも登録支援機関との連携は重要魅力的な人材の確保に成功されてるんですね。一方で、特定技能外国人材の受け入れで苦労されていることがあれば教えてください。牧さん:書類の多さです。 用意する書類が本当に多い。技人国と比べても断然多くて、在留資格変更申請に要する時間も長いです。入社後も、四半期に1度の出入国在留管理庁への書類の提出や面談にかなり業務工数が割かれてしまいます。ただ、そこは、登録支援機関の担当の方にかなり助けていただいています。登録支援機関は私たちにとってはマストな存在で、こことのコミュニケーションが特定技能制度をうまく活用する1番重要なポイントかなと思っています。あとは、受け入れている人材がどんどん多国籍になっているので、言葉も文化も違う方に一から教育をしていく大変さがあります。例えば、スリランカ人しか雇用していなければ、新しくスリランカの方が特定技能で入社してきても、先輩のスリランカ人社員が教える体制が整えられるのですが。。ここに関しては、通訳システム等を利用しながら対策を練っている最中です。国や文化が異なる人材が増えると教育や職場環境の構築が難しくなりますよね。多様な人材が活躍できる体制をつくる上で工夫されていることはありますか?牧さん:日本のスタンスで、日本人社員と同じ土俵に立った上でサービスしてもらうというのが基本にあります。あとは、日本の生活で困っていることがないかというのはこまめにヒアリングをしながら、みんなで助け合うようにしています。シフトなども本人の希望に応じてできるだけ柔軟に対応するようにはしていますね。今のところ、ここではもう働きたくないといった声は上がっておらず、長く定着してもらえています。特定技能に限らず技人国の方も含めてですね。やはり職場の空気感とか生活と仕事のバランスが良いというのが要因かなと思います。最後に、これからの組織発展のために外国人材に求めることを教えてください。牧さん:インバウンドがもうこれだけ進んできている中、 海外のお客様に対しての対応力を強めるために外国人材を採用したいという宿は多いと思います。 一方で、弊社の場合は今はどちらかというとインバウンドの影響が少ないので、日本人のお客様にご満足いただけるサービスを提供できる、というのが一番大切なことになってきます。となると、人材が求められる技能レベルも高そうですね。牧さん:はい、ただ、仕事を楽しくやれる方、笑顔が良い方であれば全然誰でもウェルカムです笑。スキルは後からいくらでも付けられるので。楽しく仕事をしたいというのが私のモットーですし、一緒に楽しく仕事をすると、お客様にも「ここは本当にいい宿だね」というふうに思っていただけるんですね。社員が楽しく、気持ちよく働いている、というのは必ずお客様にも伝わるんですよ。なので、やはり特定技能の方たちには、もっとのびのび仕事をしてほしいと思っています。